[アジアの希望の星] その国の名は台湾 LGBT合法化の先にあるものとは

LGBT 海外のニュースまとめ

2019年5月17日、台湾の国会前に多くの支持者の姿がありました。虹色のフラッグはまるで何かを祝福するように揺れ、その時を待ちわびた国民たちが歓喜に湧きました。この日台湾がアジアで初めて同性婚の合法化を認めたのです。

近年多くのアジアの国でも同様の運動は行われており、2018年インドでは同性の性交を合法化し、インドネシアやマレーシアでも合法に至らずともムーブメントの風潮が加速しています。

LGBT(Q)を公表している多くのアジア人が、台湾の動向を見つめ、希望を見出しています。しかし、ここまでくる道のりは簡単なものではありませんでした。

LGBT(Q)とは?

LGBT(Q)とはLesbian(女性同性愛者)、Gay(男性同性愛者)、Bisexual(両性愛者)、Transgender(性の不一致)、queer(様変わり)の略で各単語の頭文字を取った総称です。

LGBT総合研究所という団体が2019年に行った調査(20~69 歳の個人 428,036 名(うち有効回答数:347,816 名))では以下の様な結果が出ました。

出典:LGBT総合研究所 (lgbtri.co.jp)

やはり公表しにくい世の中ではありそうですね。日本はこの分野において後進国なんていう言われ方をしてますし、いつになったらオープンな世の中になるんでしょうか?

話は戻り、台湾でも合法化されたものの沢山の問題を抱えています。その1つが同性愛に対するヘイト団体を抑止する方法がないこと。つまり、法律が整備されてないことにあります。それにより同性愛というだけで差別の対象になり、未だに異性愛者と同じ権利を持ってない状況です。

それでも、台湾での合法化の動きは、アジア諸国のLGBT(Q)支持者、活動家の大きな分岐点となっており、これからよりオープンな世の中になっていくことが予想、期待されています。

権利獲得へ 歴史を振り返る

今年で17回目を迎えたゲイパレードが最初に開催されたのは2003年11月。台湾の首都台北で行われました。2万人を超える参加者を動員したと推測されており、その規模は年を追うごとに増え2015年に12万人、2017年13万7000人、2018年は20万人を動員しました。

パレードの規模が大きくなるにつれて海外からの参加者も増え、日本、韓国、インドネシアなども参加するなど今もその規模を大きくしています。多くの参加者は台湾に希望を見出し、インドネシアからの参加者は「公の場で手をつないで歩くことができる未来を目指したい」と厳しい自国の現状と合わせて語りました。(インドネシアでは同性同士の性交によって逮捕されるケースも発生)

大きくのパレード参加者から羨望の眼差しを向けられた台湾ですが、紆余曲折あって合法へとついに辿りついたんですね。台湾の歴史を振り返ってみます。

1980年代から1990年代

古くは1980年代に遡ります。この頃から台湾では権利獲得のために運動が開始されていました。1990年代に入ると、1999年に初めて政治家からのサポートを受けることになります。当時議員であった馬 英九(2008年~2016年まで台湾の総統を務める)が$USD1million(日本円にして約一億)の歳出をゲイ団体へ割り当てることを決めました。

しかし合法化には至らず、一説にはアンチからの強い圧力があったとされています。

2002年から2003年

陳 水扁(2000年から2008年総統を務める)がLGBT(Q)活動家を招聘し、合法化への可能性について討論を行うも最終的には至らず。

その後の2003年、陳 水扁の在任中に副総統であった呂 秀蓮が同性婚における養子縁組の制度などを盛り込んだ草案を作成するも、議会からの可決には至りませんでした。

否定的な考えの国民が多く、多くの議員が賛成と表明することを恐れたことが原因とされているみたいです。

2016年から2019年

大きく間が空いて2016年に急展開を迎えることになりました。2016年の総裁選でLGBT(Q)の支持を表明していた民主進歩党が勝利し、台湾での歴史、アジアでの歴史が動くことになったのです。ちなみに、蔡 英文(動画内でスピーチをされている方)は台湾初の女性総裁となりました。

当選から翌年の2017年に憲法裁判所が同性婚を認めるも、多くの国民の反対で断念。それでも2018年に立法院でLGBT(Q)に対する法律が成立されると、翌2019年に司法院により施行され、アジアでは初、世界では27番目の国家となりました。

法律施行後どのように社会は変わったのか。

報告
① 結婚平等法案

まずは性別に制限されない結婚という定義の変更が行われました。そのために男女をイメージさせるような表現の使用を禁止にしました。

妻/夫 → 配偶者

父/母 → (両)親 などなど…

② 同性パートナーシップ法案

法案化されたもののアンチ勢力がなくなった訳ではないため、同性愛者が様々な場面で差別を受けないように抑止するための法案。

まだまだ法の整備が整っているという状況には至っておらず、このように適宜法律を追加していくことで、同性愛者への保護を図っています。また更なる制度の強化を台湾政府は明言しています。

これからどんな新しい法案が成立していくのか。予想されている2案を例にとってみていきましょう。

新しい法案の成立へ

国
同性婚が認められている国 2020年12月現在30か国
課題その1 結婚に対する制限

合法になったとは言え、異性愛者と同じ権利を有してないことが問題点として挙げられています。例えば、結婚したパートナーが重病を患い医学的決定をしなければならないときに、愛するパートナーへの決定権がないんです。それは法的な家族関係がないからだとされています。

それと今現時点の段階では、結婚する相手に対しても制限があります。それが台湾人同時または結婚するパートナーの国でも同性婚が認められていないと結婚できないという点です。台湾にいけば誰でも結婚できるわけではない。これも異性同士の結婚であれば制限されないところですよね。

課題その2 結婚における格差

また、養子縁組の問題もあります。同性婚の場合養子にもらえるのはどちらかの血縁関係が認められた子だけに限られています。また台湾で大切な伝統とされている苗字を引き継ぐことができないという点も未だ問題点として残されており、課題とされています。

まとめ

今年は多くのゲイパレードがコロナが原因でキャンセルされたと言います。またオンラインでの開催となりました。WHOがコロナウイルスを世界規模のパンデミックと宣言したのが3月。それ以降最も大きいパレードとされているのがこのゲイパレード今年も例年通り開催され、17回目を迎えました。

多くの活動家が時間を費やして前進させてきた歴史を途絶えさせてはいけない。その想いで開催を決めた今回。14日間の隔離が必要にも関わらず、なんと世界から13万人もの参加者が集まったそうです。

「台湾だけでなく、アジアのマイルストーン(重要な局面)だ!」「国際的な街として私たちはいかなる個々、全てのグループの文化を尊重しなければならない。」専門家や政治家は毎年台北で行われているこのパレードに対してそれぞれ発言しました。

完全な平等とまではいかないまでも確実に進歩の速度は速くなっているように感じます。日本を始め、その他アジア諸国もこの波に続くのか?細かく言うと宗教の問題も絡んできて、一筋縄でいかないのがこの問題の最大のネック。だからこそ、多くの国では黙認しながらも権利として与えることはしていないのです。

平等が完全に実現した世界はどんなものでしょうか。これで本当に表現の自由が実現されているといえるでしょうか。これからの未来。楽しみでもあり多少の怖さもあります。

世界のシリアスな現実を日本の方に知ってもらいたいと思い、触れにくいニュースにこそ果敢に記事にしていきたいと思っています。こちらは女性器切除の問題を取り上げた記事になります。日本ではあまり取り上げられない問題は実は世界で大問題になっているんです。

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